ARPとは?
意味・定義
ARP(Address Resolution Protocol)は、IPネットワークにおける通信プロトコルの一つです。主に、IPアドレスを持つデバイスが、そのデバイスの物理アドレス(MACアドレス)を特定するために使用されます。ARPは、データリンク層とネットワーク層の間で動作し、ネットワーク内の機器同士が正確に通信できるようにするための重要な役割を果たします。具体的には、送信元のIPアドレスを持つデバイスが、宛先のMACアドレスを特定するためにARPリクエストを送信し、応答として対応するMACアドレスを受け取ります。
目的・背景
ARPは、ネットワーク上のデバイス間の通信を円滑に行うために必要です。IPアドレスが与えられることで、各デバイスはネットワーク上で一意に識別されますが、データを送信する際には物理アドレスが必要です。特に、イーサネットのような通信方式では、MACアドレスがデータ転送の際に不可欠です。このため、ARPはIPアドレスをMACアドレスに変換することで、デバイス同士が正確にデータをやり取りできるよう支援します。これにより、ネットワークの効率性が向上し、データ通信の遅延やエラーを減少させることができます。
使い方・具体例
- ネットワーク管理者が新しいデバイスをネットワークに接続する際、ARPを使用してそのデバイスのMACアドレスを特定し、設定を行います。
- コンピュータがローカルネットワーク内で他のデバイスと通信する際、ARPリクエストを発行して宛先デバイスのMACアドレスを取得します。
- ルーターが異なるネットワーク間でパケットを転送する際、目的地のデバイスのMACアドレスをARPを通じて確認し、正確な経路でデータを送信します。
- トラブルシューティング時に、ネットワーク接続の問題が発生した場合、ARPキャッシュを確認し、正しいMACアドレスが登録されているかを調べます。
関連用語
まとめ
- ARPはIPアドレスをMACアドレスに変換するプロトコルである。
- デバイス間の通信を円滑にするために不可欠な役割を担っている。
- ネットワークの効率性を向上させるために広く利用されている。
現場メモ
ARPは多くのネットワーク機器で自動的に実行されますが、時にはキャッシュの問題が発生することがあります。古い情報が残っていると、デバイスが正しいMACアドレスにアクセスできず、通信障害が起こることがあります。そのため、定期的にARPキャッシュをクリアすることが推奨されます。