クロスオリジンリソースシェアリング

クロスオリジンリソースシェアリングとは?

意味・定義

クロスオリジンリソースシェアリング(CORS)は、ウェブブラウザが異なるオリジン(ドメインやプロトコル、ポートが異なるもの)からのリソースにアクセスする際のセキュリティ機能です。通常、ブラウザは同一オリジンポリシーに基づき、異なるオリジン間でのリソースのやり取りを制限します。しかし、CORSを使用すると、特定の条件を満たす場合に限り、他のオリジンからのリソースへのアクセスが許可されます。これにより、APIやデータの共有が安全に行えるようになります。

目的・背景

CORSは、ウェブアプリケーションが外部のリソースと連携する際の課題を解決するために開発されました。従来、異なるオリジン間でのデータ交換は、セキュリティリスクを伴い、ユーザーのプライバシーが損なわれる恐れがありました。CORSは、信頼できるサーバーからのリクエストのみを許可することで、こうしたリスクを軽減します。また、モダンなウェブアプリケーションでは、マイクロサービスアーキテクチャが一般的になり、異なるオリジンからのデータが必要不可欠です。CORSは、これを実現するための重要な仕組みです。

使い方・具体例

  • ウェブアプリケーションが外部のAPI(例:天気情報サービス)からデータを取得する際に、CORSを設定してアクセスを許可する。
  • フロントエンドアプリが自社のバックエンドサービスと異なるドメインでホストされている場合、CORSを有効にしてデータのやり取りを行う。
  • モバイルアプリがクラウド上のリソースにアクセスする際、CORSを利用して安全にデータを取得する。
  • 自社のウェブサイトが他のウェブサイトからの埋め込みコンテンツを許可するために、CORSポリシーを設定する。
  • 開発環境でのAPIエンドポイントを異なるポートで動かし、CORSを通じてフロントエンドと連携させる。

関連用語

まとめ

  • CORSは異なるオリジン間での安全なリソース共有を可能にする仕組みです。
  • セキュリティリスクを軽減し、データ交換の利便性を向上させるために導入されました。
  • ウェブアプリケーションやAPIの設計において重要な役割を果たします。

現場メモ

CORSの設定は、サーバー側で適切に行う必要がありますが、設定ミスがあるとアクセスが拒否され、必要なデータが取得できないことがあります。また、開発環境と本番環境で異なるCORSポリシーが必要な場合もあるため、環境ごとの設定を忘れずに確認しておくことが重要です。