ファクトリーパターンとは？
意味・定義
ファクトリーパターンは、オブジェクト指向プログラミングにおいて、オブジェクトの生成を他のクラスに委譲する設計パターンの一つです。このパターンは、クラスのインスタンス化を行う際に、具体的なクラスを指定せず、インターフェースや抽象クラスを通じてオブジェクトを生成します。これにより、クラスの変更や拡張が容易になり、コードの柔軟性が向上します。
目的・背景
ファクトリーパターンは、オブジェクト生成の過程を簡素化し、コードの再利用性を高めるために設計されました。複雑なオブジェクトの生成過程を隠蔽することで、クライアントコードは生成方法を意識せずにオブジェクトを使用できるようになります。これにより、将来的に新しいオブジェクトタイプを追加する際の影響を最小限に抑えられます。
使い方・具体例
- アプリケーションが異なる種類のユーザーを扱う場合、ユーザークラスのインスタンスを生成するファクトリークラスを作成し、ユーザーの種類に応じたインスタンスを返します。
- データベース接続を管理する場合、データベースの種類に基づいて適切な接続オブジェクトを生成するファクトリーメソッドを実装します。
- グラフィカルユーザーインターフェース（GUI）アプリケーションで、ボタンやラベルなどのUIコンポーネントを生成する際に、ファクトリーパターンを利用することで、異なるスタイルのコンポーネントを簡単に作成できます。
関連用語
まとめ
- ファクトリーパターンはオブジェクト生成を効率化する設計パターンである。
- 具体的なクラスに依存せず、柔軟なコードが書けるようになる。
- 新しいオブジェクトタイプの追加が容易で、保守性が向上する。
現場メモ
ファクトリーパターンを導入する際には、最初の設計段階でオブジェクト生成のニーズを明確にすることが重要です。具体的な生成方法を隠すことが目的ですが、あまり抽象化しすぎると逆に理解しづらくなることがあります。必要なインターフェースやクラスを適切に定義し、チーム全体で共通の理解を持つことが成功の鍵です。