FTPSとは?
意味・定義
FTPS(File Transfer Protocol Secure)は、ファイルをインターネット経由で安全に送受信するためのプロトコルです。通常のFTP(File Transfer Protocol)にSSL/TLS(Secure Sockets Layer/Transport Layer Security)を組み合わせることで、データの暗号化や認証を実現します。これにより、通信内容が第三者に盗聴されるリスクを軽減できるため、機密情報を扱う業務において非常に重要な技術となっています。
目的・背景
FTPSは、従来のFTPが持つセキュリティ上の脆弱性を克服するために開発されました。FTPは、パスワードやファイルの内容が平文で送信されるため、悪意のある攻撃者に容易に盗聴される可能性があります。FTPSを使用することで、データは暗号化され、転送中に情報が漏洩するリスクを大幅に減少させることができます。特に、金融機関や医療機関など、個人情報や機密情報を扱う業界では、FTPSの導入が求められています。
使い方・具体例
- 業務システム間でのデータ移行を行う際にFTPSを利用し、顧客情報や財務データを安全に転送する。
- クラウドストレージにファイルをアップロードする際、FTPS接続を選択し、データの安全性を確保する。
- 社内サーバーと外部パートナーとの間で重要な文書を送信する際、FTPSを用いて暗号化された状態でファイルを共有する。
- バックアップファイルを外部サーバーに転送する際、FTPSを使用してファイルの整合性と機密性を保つ。
- 自動化されたスクリプトを使用して、定期的にデータをFTPSで送信し、セキュアなデータ管理を実現する。
関連用語
まとめ
- FTPSは、ファイル転送を安全に行うためのプロトコルである。
- データの暗号化により、機密情報の漏洩リスクを軽減する。
- 特に金融や医療などの業界での利用が推奨されている。
現場メモ
FTPSを導入する際の課題として、設定が複雑になることが挙げられます。特に、SSL証明書の管理や設定ミスが原因で接続が失敗するケースが多いため、事前に十分なテストとマニュアルの整備が必要です。また、使用するソフトウェアやクライアントによってFTPSのサポート状況が異なるため、事前に確認することも重要です。