iSCSIとは?
意味・定義
iSCSI(Internet Small Computer Systems Interface)は、ストレージエリアネットワーク(SAN)を構築するためのプロトコルの一つです。従来のSCSI(Small Computer Systems Interface)をインターネットプロトコル(IP)上で動作させることにより、遠隔地にあるストレージデバイスにアクセスできるようにします。これにより、データセンターや企業のネットワーク環境において、サーバーとストレージ間のデータ転送が効率的に行えるようになります。
目的・背景
iSCSIは、企業がデータ管理を効率化するために開発されました。従来のストレージ接続方式では、専用のハードウェアやプロトコルが必要でしたが、iSCSIは一般的なIPネットワークを利用することで、コスト削減を実現します。これにより、企業はストレージの拡張や管理が容易になり、データのバックアップやリカバリが迅速に行えるようになります。また、リモートアクセスが可能になることで、地理的に分散した拠点からも統一的なストレージ管理が可能になります。
使い方・具体例
- iSCSIを利用して、データセンター内のサーバーがストレージ装置に直接接続し、高速なデータ転送を実現します。
- リモートオフィスから本社のSANにアクセスすることで、従業員が必要なデータに容易にアクセスできる環境を整えます。
- クラウドサービスプロバイダーがiSCSIを使用して、ユーザーに対して柔軟なストレージオプションを提供します。
- データのバックアップをiSCSI経由で行い、オフサイトに安全に保存することで、災害時のリカバリを容易にします。
- 仮想マシンのストレージとしてiSCSIを利用し、効率的なリソース配分を実現します。
関連用語
まとめ
- iSCSIは、IPネットワーク上でストレージアクセスを可能にするプロトコルです。
- コスト効率を高め、企業のデータ管理を容易にします。
- リモートアクセスが可能で、地理的に分散した拠点からもデータにアクセスできます。
現場メモ
iSCSIを導入する際には、ネットワークの帯域幅や遅延に注意が必要です。特に、大量のデータを転送する場合、ネットワークの性能がボトルネックになることがあります。また、設定や管理が複雑になるため、技術者のトレーニングも重要です。