パスワードハッシュ

パスワードハッシュとは?

意味・定義

パスワードハッシュは、ユーザーが入力したパスワードを一方向性に変換し、元のパスワードを復元できない形式にする技術です。ハッシュ化されたパスワードは、データベースに保存される際に使用され、セキュリティを高める役割があります。通常、ハッシュ関数と呼ばれる特定のアルゴリズムを使用して、同じ入力から常に同じ出力が得られるようにしますが、逆に元の入力を特定することは極めて困難です。

目的・背景

パスワードハッシュの主な目的は、データベース内のユーザー情報を保護することです。従来のパスワード管理では、平文でパスワードを保存することが一般的でしたが、これではデータベースが侵害された際にユーザーのパスワードが簡単に漏洩してしまいます。ハッシュ化を採用することで、たとえデータが不正にアクセスされても、ハッシュ化されたデータから元のパスワードを推測することが非常に難しくなります。この技術は、オンラインサービスのセキュリティ強化において不可欠な要素となっています。

使い方・具体例

  • ユーザーが新規登録を行う際、入力されたパスワードをハッシュ化して保存します。この際、同じパスワードは常に同じハッシュ値になります。
  • ログイン時には、ユーザーが入力したパスワードを再度ハッシュ化し、データベースに保存されているハッシュと照合します。一致すれば認証が成功します。
  • 一部のシステムでは、ソルト(salt)と呼ばれるランダムなデータを追加してハッシュ化することで、同じパスワードでも異なるハッシュを生成し、セキュリティをさらに強化します。
  • パスワードの変更時には、新しいパスワードをハッシュ化して既存のものと置き換えます。
  • 古いハッシュアルゴリズムから新しいものに移行する際は、ユーザーが次回ログイン時に新しいハッシュ方式で再ハッシュするプロセスを導入することがあります。

関連用語

まとめ

  • パスワードハッシュは、パスワードを安全に保存するための手法です。
  • データベースが侵害されても、元のパスワードを保護する役割を果たします。
  • ハッシュ化は、ユーザー認証のプロセスにおいて重要な要素となっています。

現場メモ

パスワードハッシュの実装にあたっては、選択するハッシュアルゴリズムの強度に注意が必要です。古いアルゴリズムは脆弱性があるため、最新の推奨されるアルゴリズムを使用することが重要です。また、ハッシュ化を行った後も、適切なセキュリティ対策を併用することで、さらなるリスク軽減が図れます。