要求トレーサビリティマトリクスとは?
意味・定義
要求トレーサビリティマトリクス(RTM)は、プロジェクトにおける要件とそれに基づく設計やテストケースを関連付けた表形式のドキュメントです。このマトリクスを用いることで、各要件がどの設計やテストに結びついているかを一目で確認できます。RTMは、要件の明確化や変更管理、テストの網羅性を確保するために重要な役割を果たします。
目的・背景
要求トレーサビリティマトリクスは、プロジェクトの進行中に発生する要件の変更や追加に対応するために設計されています。要件が変更されると、それに関連する設計やテストケースも見直す必要があります。RTMを活用することで、要件の変更がどの部分に影響を及ぼすかを迅速に把握し、適切な対応を行うことが可能になります。また、プロジェクトの透明性を高め、関係者間のコミュニケーションを円滑にする効果も期待できます。
使い方・具体例
- プロジェクト開始時に、全ての要件をリストアップし、それぞれに対応する設計やテストケースをマトリクスに記入する。
- 要件の変更があった際には、RTMを更新し、影響を受ける設計やテストケースを特定する。
- テスト計画を立てる際に、RTMを参照して、どの要件がどのテストで確認されるかを明確にする。
- プロジェクトの進捗報告時に、RTMを用いて要件の達成状況を示し、関係者に進捗を共有する。
- プロジェクト終了後に、RTMを振り返り、要件に対する設計やテストの網羅性を評価する。
関連用語
まとめ
- 要求トレーサビリティマトリクスは、要件と設計・テストを関連付けるための表です。
- 要件の変更に迅速に対応し、影響を把握するために重要です。
- プロジェクトの透明性を高め、関係者間のコミュニケーションを円滑にします。
現場メモ
RTMを導入する際には、初期設定に時間がかかることがあります。特に、要件が多岐にわたる場合は、マトリクスの作成が煩雑になりがちです。また、プロジェクトメンバー全員がRTMの重要性を理解し、活用することが求められます。定期的なレビューを行うことで、マトリクスが常に最新の状態に保たれるようにすることが大切です。